書籍『幸せな名建築たち』出版イベント第一弾!
私が5年ほどかけて執筆、ほかもろもろ(編集、DTP、装丁も!)を致しました書籍『幸せな名建築たち』(日本建築学会編、丸善出版)の出版記念トークイベントを、10月11日に田町の建築書店にて開催致しました。
本書は日本建築学会の会報誌『建築雑誌』に掲載された4年間の連載を再編集し、あらたに「聴竹居」にもご取材した、42組の名建築に住む人や支える人へのインタビュー集です。写真も多く、再撮影も多数あり、みなさまの建築への静かに熱く深い想いがつまった一冊です。(掲載建築リストは下部に載せました)
おかげさまで本書は好評のようですが、より多くの方にお手にとってご覧頂けたら嬉しいです!
カバーは、自由学園 南沢キャンパスです。名建築と人との幸せな関係性がとてもよくあらわれている象徴的な写真です。小学校の子ども達が向かう先は・・・
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トークイベントのテーマは中銀カプセルタワービルということでゲストに中銀カプセルタワービル保存再生プロジェクト代表の前田達之さんにいらして頂きました。もちろん、本書にも前田さんは登場します。
私も普段から中銀カプセルタワービルで取り組んでいる、シェアオフィスの企画運営とその仕組みやカプセルレストアについてお話し致しました。今年つくりましたカプセル1972Tシャツも着ています。こちらで販売中!
前田さんからは、カプセル解体の危機を迎える中、とても濃いカプセルの現状やカプセル交換に向けての動きなどもろもろの裏事情などのお話しを伺うことができ、みなさんとても熱心にメモをとられていました。笑いあり、質問も多くあがり、大変盛り上がったのではないでしょうか。前田さん、ご来場頂いたみなさま、気にかけてくださっていたみなさま、日本建築学会のみなさま、丸善出版のみなさま、ありがとうございました!
本書およびイベント時の写真は、蔵プロダクション撮影です。
掲載建築リスト
■ハウジング編
01 管の家
02 象の家
03 目神山の家
04 ビラ・モデルナ
05 原邸
06 中銀カプセルタワービル
07 セキスイハイム M1 犬木邸
08 塔の家
09 石津邸
10 自由が丘の家 伊藤邸
11 同潤会江古田分譲住宅 佐々木邸
12 清洲寮
13 富久邸
14 堀ビル
15 奥野ビル
16 聴竹居
17 長岡邸
18 求道学舎
19 濱田庄司記念益子参考館
■ビルディング編
20 パレスサイドビル
21 目黒区総合庁舎
22 大学セミナーハウス
23 東光園
24 東海大学 湘南キャンパス
25 国立西洋美術館
26 香川県庁舎
27 八幡浜市立日土小学校
28 カトリック目黒教会
29 国際文化会館
30 北九州市立戸畑図書館
31 大阪ガスビルディング
32 JPタワー・KITTE
33 自由学園 南沢キャンパス
34 旧観慶丸商店
35 芝川ビル
36 デザイン・クリエイティブセンター神戸
37 北菓楼札幌本館
38 国立天文台 三鷹キャンパス
39 東京大学 本郷キャンパス
40 東京駅 丸の内駅舎
41 富士屋ホテル
42 富岡製糸場
「カプセル快適化俱楽部」は、中銀カプセルタワービルに住む人・使う人、これから住もうとする人や使おうとしている人にとって役立つ、カプセルライフを楽しくするための情報発信を目指します。また、これを見て読んだ方に中銀カプセルタワービルについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今日は、カプセルでの交流会にぴったりな、カプセルっぽいクッキーをつくった話しです。
企画運営しているカプセルシェアオフィス・中銀カプセルタワービルA606プロジェクトにて、9月からの新会員との顔合わせの交流会をしました。
そこに持っていくお菓子を、会の前日に銀座界隈で探したのですが、「カプセルにふさわしい」と思えるお菓子がなかなかなく。当日も午前から外出のため時間的余裕がなく、持ち歩きがあるので生菓子も難しく、困りました。
まずは、丸っぽいものをとお菓子コーナーをぐるぐる見てまわるものの、ありきたりのものばかりで面白くないのです。いろいろ見た中で、栗を丸く練り込んだ和菓子は、かなり惜しいのですが、プロポーションがひしゃげた感じで“これじゃない”感が。探してみると、カプセルっぽいしっくりくるものが無かったのです。
無いものは作るしかないと、カプセルっぽいクッキーを手作りすることにしました。
日本橋にお菓子の材料や道具を扱うお店がちょうどよくあり、そこでもろもろをゲット。
クッキー向けに調合された粉(小麦粉、砂糖など)と無塩バターと卵を混ぜて、練り……冷蔵庫で1時間ほど寝かせ……
ちょうどよい四角の型抜きがなかったので、まな板にサランラップをひいて、包丁で四角にカット。
そして、大事な丸窓!丸のクッキーの抜き型で抜き取ります。
ブラックココアパウダーを入れた、黒い生地も丸くくり抜いて……
白い四角に丸穴をあけた生地に、黒い丸を入れて、白と黒の生地をなじませて……
オーブンが無いので、代わりにガスコンロの魚焼き機で焼きました。
少しこんがりしたところで、裏返し、しばし待てば、完成。
交流会でも、みなさんカプセルクッキーの写真を撮ってくれました。たくさんあったカプセルクッキーも、みなさんおいしい!といって、あっという間になくなりました。
味もなかなかのカプセルクッキーでした。
「カプセル快適化俱楽部」は、中銀カプセルタワービルに住む人・使う人、これから住もうとする人や使おうとしている人にとって役立つ、カプセルライフを楽しくするための情報発信を目指します。また、これを見て読んだ方に中銀カプセルタワービルについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今回は、カプセル内にもとからある時計を直しました。
シェアオフィスである中銀カプセルタワービルA606プロジェクトの会員から「時計がほしい」という要望があったことがきっかけで、もとからある時計を直しはじめました。
カプセルには、1972年に建った当時の最先端の機器が備え付けられていました。テレビ、冷蔵庫、時計などは標準で付き、それ以外の卓上電子計算機(電卓)、ステレオスピーカー、テープデッキ(オープンリール)、テーブルライト、流し台などはオプションで、カプセル購入者がそれぞれ選んだそうです。
現在、すべてが完璧に揃っているカプセルは無いようです。それぞれのカプセルで部分的にパーツをとどめていたり、もとのものは撤去されてしまっていたりします。埼玉県立近代美術館が建つ北浦和公園にあるカプセルのモデルルームも実際に建ったものとは少し違います。
今回直した時計は、カプセルに標準で付いていたもので、このカプセルを借り始めた時にはすでに止まっていました。数年から数十年は止まったままだったのでしょう。時計を取り外してみると、電力をとるプラグがそもそも抜かれていました。そして、時計用に用意されているコンセントにプラグをさしても、時計は動きません。また、右側のダイアルも箱の中に1つは落ちていました。そこで分解して直すことにしました。
1970年代の時計ですから、数字盤も一枚ずつパラパラとあり、電気的に動くけれどもどこかアナログな品です。試行錯誤してみたところ、修理方法は実は簡単で、古くなってグリスが固着したモーター軸に油をさして回るように手入れをしてあげました。こうすれば動くのは、アナログな品だからこそ。長く使えるのかもしれないと思いました。
いまでは、A606では、カプセルにもともとあった時計が正確な時を告げてくれます!(映像は早回しです)
タイマーもあり、ブザーも「ブー」と鳴るのですが、右側のダイアルの操作方法がやや複雑で壊れやすいため、いまのところブザーは使わないようにしています。ちゃんと、照明のスイッチと並んでいるブザーボタンは連動しています。
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よく、博物館などでさわれない機器が展示されていますが、それではその場は止まっているように感じます。カプセルは、まだ生きていて現役で使う建築です。カプセルを快適に使い続けるために、機器は直して動かしていきたいと考えています。
いしまるあきこ一級建築士事務所 + 蔵プロダクション で、「中銀カプセル・レストア・プロジェクト」と名付けて、日常的に使うために、中銀カプセルタワービルのカプセルユニットの復原を試みています。
「カプセル快適化俱楽部」は、中銀カプセルタワービルに住む人・使う人、これから住もうとする人や使おうとしている人にとって役立つ、カプセルライフを楽しくするための情報発信を目指します。また、これを見て読んだ方に中銀カプセルタワービルについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。
私がカプセルに住んでいたときに最も困ったのが洗濯でした。カプセルにはもともと洗濯機置き場はありません。共用部にもコインランドリーは用意されていません。
竣工当初のユーザーイメージは、都心勤めのビジネスマンや東京以外に住む方にとってのセカンドハウスや東京での拠点といったものでした。分譲マンションですが、感覚的にはビジネスホテルに近く、カプセルに長期間住むことは想定されていないのです。それでも「身軽なうちに名建築に住んでみたい」と思い住んだのでした。
カプセルへ引っ越す前に隣のビルにコインランドリーがあると聞いたものの、見つかりませんでした。一番近いコインランドリーは新橋駅の向こう側で、歩くと20分程度でしょうか。小さなコインランドリーで夜待つのは少々怖く、近くの公園にいるわけにもいかず、行って帰ってくるにも微妙に遠く、洗濯をしかけ(40分弱)、乾燥機にかけ(40分〜60分)、それが終わるまでの間の2回を近くのチェーン系の喫茶店で過ごさなければいけないのは、なんとも効率の悪いものでした。
さて、ほかの住んでいる方はどうしているかというと、『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(青月社)の中でインタビューさせてもらった福田憲三さんは、自転車で銭湯に行き、そこにあるコインランドリーを使うそうです。同じくインタビューをした山川大地さんは、なんと、ユニットバスの中に洗濯機を入れ、乾燥機も置いて干すのです。カプセルのユニットバスの扉が細いので、洗濯機は一般的なものよりもひと回り小さいものですが、洗濯機を通すのは大変だったそうです。カプセルがカプセルのままで快適に生活する上での工夫ですね。
カプセルで快適に過ごすには、セカンドハウスとして洗濯を気にする必要が無い程度に滞在するのが、一番コンセプト的にもカプセルのつくり的にもしっくりくるなと最近とくに思うようになりました。
「カプセル快適化俱楽部」は、中銀カプセルタワービルに住む人・使う人、これから住もうとする人や使おうとしている人にとって役立つ、カプセルライフを楽しくするための情報発信を目指します。また、これを見て読んだ方に中銀カプセルタワービルについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今回は、カプセルの丸型ブラインドのお話。
中銀カプセルタワービルが建った当初は、どのカプセルにも丸型ブラインドが付いていたそうです。
ところが、いまは、ほとんどのカプセルにブラインドは付いていません。外から見ると、1つくらいはもともとのブラインドが残ったままのところがありそうですが、はっきりしていません。
カプセルによっては、ブラインドのための真ん中の丸い金物が残っていたり、ガイドのような大きな輪が残っていたりします。跡形もないところもあります。
さて、カプセルの方角によっては、丸窓からはわりと強い日が差すため、日射を防ぐことは、カプセルを快適にするためには大事なことです。今回のカプセルには金物は残っているものの、ブラインドは付いていませんでした。
そこで、丸型ブラインドを見よう見まねで再現してみたのです。
海外の半円窓用のブラインドを手に入れ、真ん中の芯材やブラインドの枠を今回は木でつくりました。本来は真ちゅうのようです。
このブラインドの良いところは、いろいろなパターンの開け方ができることかもしれません。右半分を開けたり、上半分を開けたりできます。上部や4分の1円の途中で小さな金物でおさえることで留められるのです。
ブラインドがあると、より、カプセルにこもった感がでますね。
折り目の数やパーツにはまだまだ改善すべき点がありますが、外から見るとシャキッとしました。中も、柔らかい光が差し込み、より、カプセルの中を堪能できる雰囲気です。今後も改良していきたいなと思っています。
「カプセル快適化俱楽部」は、中銀カプセルタワービルに住む人・使う人、これから住もうとする人や使おうとしている人にとって役立つ、カプセルライフを楽しくするための情報発信を目指します。また、これを見て読んだ方に中銀カプセルタワービルについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今回は、コーヒーにこだわる人にもオススメしたい、カプセルの近くでテイクアウトできる珈琲専門店のお話です。
カプセルへ向かう途中、信号待ちする交差点で斜め向かいにある珈琲店がいつも気になっていました。夜にはお店の名前の赤い文字が輝いていて、遅くまでやっているのです。そのお店は「宮越屋珈琲」。
新橋駅から中銀カプセルタワービルに向かって歩いて行くと、スターバックスコーヒー、ファミリーマートもありますし、ほかにもコーヒーのテイクアウトができる店はたくさんありますが、気になって行ってみました。
カプセルの近くは東京新橋店。本店は北海道札幌市の円山(まるやま)にある珈琲店です。1階では、テイクアウトと豆の販売をしています。2階は、店内での飲食の方用の席です。
5月に行ってみましたが、テイクアウトのメニューでHOTはブレンドコーヒーのみ。ICEはつめたいコーヒー、つめたいカフェオレ、つめたいココア、コーヒーフロート、ココアフロート、ソフトクリームと種類が豊富。値段もShortが270円からとお手頃価格。つめたいカフェオレは、Shortで302円、Tallで356円でした。(スターバックスでは、Shortで330円。)店内では、ドリップ用のパックDRIP CAFEも販売されていました。1ケ129円〜。
つめたいカフェオレを頼んでみたところ、最初、ミルクが下にいて、見た目にもおいしそう。飲んでみたところ、コーヒーのしっかりした味とたっぷりのミルクでおいしかったです。カフェインレスやソイラテはありませんが、おいしいつめたいカフェオレが飲みたくなったら、こちらに寄ろうと思います。
2階も利用しました。テーブルの客席と珈琲を眼の前で淹れるカウンター席があります。2階ではHOTのカフェオレ(810円)を頂きました。飲み物は料金があがりますが、いろいろなケーキやクッキー、ブルーベリージャムもついてくるトーストもあります。ブルーベリータルト(540円)は、さっくりとしっとりがほどよく、かなりおいしかったです。トースト(324円)もバターの味とブルーベリージャムの甘さがほどよく、どれも、体に優しそうな味でした。かなりおいしかったです。
ここでホッと一休みしてからでも、サッとテイクアウトしても、カプセルに向かうときや帰りに寄り道する楽しみな場所が増えました。
宮越屋珈琲 東京新橋店
住所 東京都港区新橋1-7-10 汐留スペリアルビル1階2階
営業時間 10:00〜25:00(日祝10:00〜23:00)
「カプセル快適化俱楽部」は、中銀カプセルタワービルに住む人・使う人、これから住もうとする人や使おうとしている人にとって役立つ、カプセルライフを楽しくするための情報発信を目指します。また、これを見て読んだ方に中銀カプセルタワービルについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今日は、住まいなら必須、事務所利用でも役立つ、カプセルのお風呂事情です。
中銀カプセルタワービルのカプセルには、オリジナルのユニットバスがあります。白く丸を基調としたデザインで、トイレ、洗面台、浴槽が一体となっています。鏡もコンセントカバーも、プラスチックの棚も丸です。コンパクトながら魅力的なお風呂です。
ところが、現在のカプセルではお湯がでませんので、このユニットバスでお風呂には入れません。残念。10年前くらいまではお湯がでたそうです。もともとは全館給湯でしたが、配管の不具合や故障したボイラーを止めたため、いまはお湯がでないのです。
住んでいる人の中には、電気式の湯沸かし棒で数時間かけてお湯を沸かす人や、電気温水器を取り入れてなんとかシャワーを浴びている人もいるようですが、基本的には、カプセルの中ではお風呂に入れません。かわりに、共用部に置かれているシャワーブース1つを使うことができます。細かい使い方などは、管理人さんが教えてくれます。
さて、シャワーブースを使わない人がよく利用するのが銭湯です。中銀カプセルタワービルは中央区銀座にありますので、銀座の銭湯を使うことがあります。銀座に銭湯なんてあるの!?と思われがちですが、実は、銀座では2つの銭湯がいまでも営業しています。カプセルから最も近いのは、同じ銀座8丁目にある「金春湯(こんぱるゆ)」です。開業は1863年の老舗の銭湯です。この銭湯には、コインランドリーがありません。カプセルの洗濯事情や銭湯レポートは、またの機会に……
2017年4月から、中央区の銭湯では「コミュニティふれあい銭湯」ということで、第2、第4金曜日は中央区在住・在勤者は100円で入ることができます!通常の大人料金は460円ですから、だいぶお得ですね。
「カプセル快適化俱楽部」は、中銀カプセルタワービルに住む人・使う人、これから住もうとする人や使おうとしている人にとって役立つ、カプセルライフを楽しくするための情報発信を目指します。また、これを見て読んだ方に中銀カプセルタワービルについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今回は、ここもコンセントだったというお話し。
「これって何だろう?」と思っていた人も多いかもしれません。中銀カプセルタワービル、カプセルのもとはベッドがあったヘッドボードのあたり。斜めのふたがある収納の並びに時計や照明のスイッチとともに左端にある細長いグレーの何か。
実は、コンセントでした!
中銀カプセルタワービルが竣工した1972年は、ノートパソコンや携帯電話も無く、まだまだ、電化製品を使う機会は少なかったと思います。45年後の2017年には、電源を使うものが多いですから、テーブルの近くにコンセントがあるといいなと考え、スイッチのあたりのふたを開けた際、グレー色のところに配線がされていることで分かりました。
グレーのコンセントがあるカプセルと無いカプセルがありますが、収納が残っているのにグレーのコンセントが無いカプセルは、壁にコンセントが用意されているところのようです。
さて、このコンセントには、「JIMBO 15A-125V 41-1380」と書いてあります。JIMBOは神保電器株式会社のマークです。
何か気になって調べたところ、「日本間用コンセント」と呼ばれるもので、和室などで壁ではなく敷居の一部に上向きにコンセントを付ける時に使われていたようです。プラグを差していない時はふたが閉じているので、ホコリなどが入りにくい工夫がされています。カプセルでは、斜めに付けられているので、ホコリが入らないようこのようなコンセントが選ばれたのではないでしょうか。
カプセルを設計した建築家の黒川紀章さんは、茶室も多く設計されていたそうですが、このあたりのセレクトも何かつながりがあるのかもしれませんね。
カプセルで使われているものは、現在は販売されていませんが、JIMBOの後継機はリンク先のもののようです。
こまやかな工夫もされているカプセルなのでした。
「カプセル快適化俱楽部」は、中銀カプセルタワービルに住む人・使う人、これから住もうとする人や使おうとしている人にとって役立つ、カプセルライフを楽しくするための情報発信を目指します。また、これを見て読んだ方に中銀カプセルタワービルについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今回は、「カプセル快適化俱楽部」のアイコンにも登場する、カプセルに似合う手動掃除機「Hochi(ホチ)」のお話しです。
カプセルは10平米とコンパクトな部屋で収納も限られているので、置くもの全てに迷うかと思います。掃除機も何を置くかで迷います。私が住んでいた時には、ずいぶん前に姉から譲り受けた90年代・スタンド式の黒いスティックタイプの電気掃除機を使っていました。カプセルの中で少し背丈のある掃除機を納められる場所というと、収納のクローゼットのみです。古いタイプの掃除機なので、集塵袋も取り替えないといけないこともあまり望ましくありませんでした。
企画・運営しているシェアオフィスの1つ、中銀カプセルタワービルA606プロジェクトでは、置く物に特にこだっているので、掃除機もカプセルに似合う物を探しました。
たとえば、パナソニックの「IT(イット)」は、コンパクトで薄く、デザインもまあまあ合いそうだと思いましたが、実物を家電量販店で見たところ、思っていたよりもつくりがきゃしゃでした。自立しないのもあまり望ましくありません。価格も探し始めたころは7万円台で、購入するには至りませんでした。ほかにも、現在発売中のスティックタイプの掃除機は複数見ましたが、どれもカプセルに似合いません。ルンバなどの丸型のお掃除ロボット導入も考えましたが、さすがに10平米を自動で掃除させなくてもよいなと思ったのです。
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困って、ヤフオクで【レトロ 掃除機】で検索したところ、手動掃除機「Hochi(ホチ)」が出品されていました。
白い四角に黒丸のその姿。丸窓が特徴のカプセルに置かれるのをまるで待っていたかのような形。出品説明によると「昭和40年代〜50年代」のもので、まさに、中銀カプセルタワービルが生まれた1972年(昭和47年)と同世代でした。
よくできているのが、そのコンパクト性。1つの箱にうまいこと納められ、カプセルとの共通性を感じます。クローゼットの中に置いても場所をとらず、立っている姿もとても良いのです。
そして、なにより、手動なので電気を使いません。コードを引っ張りだして、コンセントにつないでから掃除機をかけるあの手間がないので、サッと取り出してサッと掃除ができるのです。とったゴミは、下のふたをパカッと開けて、そのままゴミ袋へ。
「Hochi」のおかげで、カプセルの掃除が楽しくなりました。
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ヤフオク出品者の方が複数所有していたデットストックの「Hochi」を購入し、まずは、企画・管理している2つのシェアオフィスで使っています。もし、自分のカプセルにも「Hochi」を置きたい方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。